少し過去を振り返りました

 僕は20代後半の数年間、あるネットワークビジネスに参加していました。とても有名なヤツです。そのビジネスでは、全く結果を出せませんでした。ふと、思うことがあって、かつて自分が所属していたグループやそのリーダーの動向をググってみました。今もそのビジネスを頑張っている、そういう痕跡の方はいませんでした。グループも2010年頃までは活動していたようですが、その後は目立った活動は無いようです。「あ~、やっぱり怪しかったんだな」などと言うつもりはありません。おそらく、マーケティングプランは、至極真っ当なモデルだと思います。なので、「マルチだ!」「ネズミだ!」とは違う感想を持ちました。

 まず感じたのは、「どんなビジネスにも『旬』というものがあるのだな」です。僕が所属していたグループは、仙台市を中心に活動していました。だから、2011年以降、活動しにくくなったとしても、そこはうなづけます。ですが、震災から10年です。相双地区でさえ、新たな形でスタートは切っています。仙台ならもっと違う動きがあってもいいと思います。ですが、そのグループでこの数年の活動を見つけることはできませんでした。「怪しいから撤退した」のではなく、「別のビジネス形態に各々移ったのだろう」と思っています。例えは違うかもしれませんが、僕は外食産業勤務が長いのですが、自分が働いている会社の変遷を見ても、会社の中核業務が入社当時は回転寿司だったのが、居酒屋スタイルに変遷していきました。数か月前、その会社を検索すると、なんと、焼き肉屋が会社の中心になっているようで、社名すら変更していました。つまり、環境によってビジネスモデルは変化していく、これが今僕が一番感じていることです。

 2つ目、上記ネットワークビジネスはおそらく難易度の高いビジネス形態だったのだと思います。いや、僕の所属していたグループがそうだったのかもしれません。ですが、開業以降に思うことは、「むしろ『物売り』と受け取られてもよかったのではないか」と感じました。成功哲学。メンタルトレーニング、結果を出している人のスピーチ、そういうものはいくら聞いても、目先の「恐怖」を実は取り除いてはくれないのです。「恐怖」「痛み」は、経験してからでないと処方箋は役に立ちません。

 僕は、行政書士業務も同じだと思います。いわゆる「王道業務」だけなら行政書士を必要としないものはいくつもあります。例えば、車庫証明なんて誰でもできます。農地法の3条申請も時間さえかければ、難易度は低いです。つまり、王道業務だけならレッドオーシャン、斜陽産業だと思うのです。だったら、行政書士の肩書に意味はあるのか?取得する価値なんてあるのか?僕の考えは、大有り!です。「行政書士」程度の肩書でも国家資格です。信用、信頼はあるのです。もしも弁護士・公認会計士、といった最高ランクの士業業務でさえも、誰でもできるようになったら、その時には行政書士は役に立たなくなるでしょう。ですが、その時は、士業自体が斜陽産業なのです。「A.Iが進めば士業の仕事なんてほとんどなくなる」的な言葉によく出会います。そうだと思います。ですが、その前に士業にこだわらないビジネスに移ればいいのです。だから、楽な仕事は探すのは得策ではない、これがもうじき開業5年目になる僕の気持ちです。その方が、むしろ仕事はいくらでもあるのです。

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