「成年後見制度」について
(先週感じたことを書きます。)22日(月)コスモス成年後見サポートセンターの研修で「ぼけますからよろしく」という映画を見ました。行政書士で成年後見の後見人をするための団体がコスモスで、年にいくつかの研修をする必要がるのですが、その一つとして映画を観たのでした。コスモスの会員は認知症になった人だけを対象とするのではありませんが、やはり考えさせられるものがありました。他の会員の皆さんも同様だったと思います。
27日(土)に、認知症の人と家族の会福島県支部の「世話人会」に久しぶりに出席しました。こちらは認知症の当事者やその家族、関係者のお世話をする人達が集まっていて、認知症に正面から向き合う最大の団体です。どのようにかかわっていくかを真剣に考え、取り組む、いわば「最前線」で頑張っている人たちの集まりです。僕は、ある意味、1週間で「右側からと左側から」とでもいうべき、対極的なスタンスで認知症に接しました。
そこで感じたことは、前者は小難しい制度や仕組みの話をし過ぎると思いました。もちろん、国の制度なのでそれらは大事です。制度や仕組みを理解しないとうまく活用できないからです。でも、一方で後者からすると、目の前の問題に「制度や仕組み」は1番大事なことではなく、ややもすると「なくてもいいもの」でさえあると思います。成年後見制度は目先の家族の悩みを解決できる有効な手段にはならないのです。ここに成年後見制度が普及しない一因があると思いました。語弊を恐れずに言えば「後見人候補」の我々は、もう少し腰を低くしてもいいのではないか、そう思います。もちろん、我々はボランティアでも家族でもない、士業を生業とするものです。「寄り添う」ことは必要でも、「寄り添い過ぎる」のはNGです。ただ、困っている人の声をもう少し聞いた方が良い、そう感じました。
この両者の間の温度差、とか、溝、とか、そんな感じのものを埋めていく必要がると思います。どちらの側からもそういうことを言う人に出会えませんでした。だったらそれを発信していく、そう思いました。改めて、成年後見制度について考える機会があったので、少し意見を表明しました。